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JAL「格安航空」に進出 再生支援機構が検討(J-CASTニュース)

 企業再生支援機構が策定を進めている日本航空(JAL)の再建計画の中で、格安航空会社(LCC)の設立が検討されていることが明らかになった。LCCと言えば、使用する飛行機の種類を少なくしたり、郊外の空港を利用したりしてコストを抑えていることでも知られる。東南アジアでは多くの乗客が利用するLCCだが、日本では成功するのだろうか。

 再建計画では、1万5000人以上の人員削減をはじめとして、撤退路線の拡大や、燃費の悪いジャンボ機(ボーイング747-400型機)を退役させることなどのリストラ策が数多く盛り込まれている。そのなかのひとつとして検討されているのが、LCCの設立だ。運航コストを抑えて運賃も低めに設定し、レジャー需要の獲得を目指したい考えだ。

■タラップを降りてもバスが迎えに来てくれる訳ではない

 では、このLCCとは、どのようなものだろうか。LCCは1970年代の米国での航空自由化をきっかけに登場し、00年代以降、欧州や盗難アジアに広がった。特徴的なのが、圧倒的な運賃の安さだ。

 例えばシンガポール発クアラルンプール(マレーシア)行きで比較した場合、マレーシア航空の割引運賃が片道68シンガポールドル(約4500円)なのに対して、01年に設立されたアジア最大のLCC「エアアジア」の場合は5〜27ドル(330円〜1790円)。半分〜1割以下という格安ぶりだ。

 この安さを実現するために、あらゆる工夫がされている。例えばシンガポールからクアラルンプールまでエアアジアに乗った場合、空港でチェックインする際に渡される搭乗券は、ペラペラのレシート状のものだ。機内では、新聞やジュースが配られることもない。離陸してまもなくすると、客室乗務員(CA)がカートに積んだ軽食やお菓子、パック入りのジュースを売りに来るのだ。列車の車内販売に近い雰囲気だ。

 大きくコスト削減に貢献しているのが、設備面の工夫だ。エアアジアが拠点にしているクアラルンプールの空港に到着しても、案内されるのは、通常のターミナルから10キロ程度離れた「格安航空専用ターミナル」(LCCT)だ。飛行機から降りる際は、ボーディングブリッジではなく、横付けされたタラップを使うが、バスが迎えに来てくれる訳ではない。貨物などを運ぶ空港車両を横目に、屋外の通路を数百メートル歩いて、やっと倉庫のようなターミナルにたどりつく、といった具合だ。また、通常のターミナルの場合、市街地までは高速鉄道を使って30分強で移動できるが、LCCTからは、高速バスで1時間以上かかる。利用者からすれば「安い分、相当不便」という側面があるのは厳然たる事実だが、「背に腹は代えられない」ということなのか、現在では年間1200万人以上がエアアジアを利用している。

■カンタス航空がノウハウをJALに提供

 それ以外にも、使用する飛行機の種類を絞って整備コストを下げるという工夫もされている。

 実は日本にも、すでにLCCの波が押し寄せている。07年には豪カンタス航空の100%子会社である「ジェットスター」が日本に進出し、現在では成田・関西の2空港に乗り入れている。業績も比較的好調で、カンタス航空の08年7月〜09年6月の決算資料によると、日本市場では、新型インフルエンザの影響を受けながらも、黒字を計上している。

 さらに、ここ1年では、韓国のLCCの進出が相次いでいる。自治体が出資する「済州航空」が09年3月にソウル(仁川)-関西、北九州便を、09年11月にはソウル(金浦)-関西便を開設。10年春には、アシアナ航空などが出資する「エア釜山」が釜山-福岡、関西路線に就航する予定だ。前出のエアアジアも、10年3月に開港予定の茨城空港を念頭に、10年以降に日本への乗り入れを検討している。

 このように、日本でもLCC間の競争が激化しそうな様相で、JALグループがどのようなLCC戦略を打ち出すかが注目されることになりそうだ。1月12日に「ワンワールド」陣営がJALへの追加支援策を発表した記者会見では、カンタス航空幹部が、通常ブランド「カンタス航空」とLCC「ジェットスター航空」の2つのブランドを並行して運営するノウハウをJALに提供する意向を表明。JAL子会社の「JALエクスプレス」などでは、客室乗務員(CA)が機内清掃を担当するなどのコスト削減策が実行されているが、これらが今後強化される可能性もありそうだ。


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